ソラリア飾り山の裏側 2021山笠への想い
博多の夏を彩る山笠が戻ってきました!
新型コロナウイルス感染症の影響により、1年の中断を経て、ソラリアプラザ1階のイベント広場「ゼファ」では、博多祇園山笠の飾り山笠「十七番山笠ソラリア」の奉納・披露が始まっています。
期間は2021年7月1日(木)から7月14日(水)です。
今回はその再開にあたり、毎年制作に携わっている博多人形師の方の想いやこれまで西鉄が発行してきた記念きっぷをご紹介します。
CONTENTS
2021年ソラリア飾り山の標題
今年の表と見送には、新型コロナウイルス感染拡大収束と、博多の国際都市としての発展への願いが込められています。
表の標題
「猛将才蔵去退病(もうしょうさいぞうやまいをもしりぞける)」
戦国時代の武将「可児才蔵(かにさいぞう)」が関ケ原の戦いで奮戦する姿を表現しています。可児才蔵は、その勇猛ぶりから「笹野才蔵」として疱瘡除けのおまじないとしても知られていました。
見送りの標題
「筑紫遷都誉(つくしせんとのほまれ)」
飛鳥時代、斉明天皇によって「筑紫」(現在の福岡)への遷都が行われたエピソードを表しています。
博多人形師・置鮎さんの想い
表を制作した博多人形師の置鮎正弘さんは今年で90歳。父親の影響で博多人形師の道に進んだ大ベテランです。
1950年ごろから、寿通り商店街(現在の博多リバレイン)やJR博多駅の飾り山に携わってこられたのち、ソラリアの飾り山を手掛けられています。
まさに戦後の山笠とともに歩んでこられた置鮎さんでも、新型コロナウイルスが影響した昨年の中止は初めてのこと。想像もできない驚きだったそうで、今年の飾り山にかける想いはひとしおと語ります。
題材となった笹野才蔵はこの博多の地で疱瘡(天然痘)除けとして江戸時代の昔から広く親しまれてきました。このような疫病退散の思いを込めた題材はこれまでになかったことと振り返り、今年の山笠の開催を喜ぶ一方で、山笠を彩る主役の一つである舁き山は今年も中止となり、完全な再開には至らなかった無念もあるとおっしゃっていました。
お話を伺っている間にも、精力的に指示を出す置鮎さん。メインとなる人形の周りに、滝や白波、平岩、岩こぶなどを配置していく様子はまるで絵を描いているようでした。
また、ソラリア飾り山で目を引くのは人形の澄んだ瞳。これは昭和初期に作られた、職人の手によるふきガラスの逸品なんだそう。同じように人形師であった父親から受け継がれる、一世紀近い年月を見つめる瞳もぜひ注目してご覧になってみてください。
山笠記念きっぷ
西鉄では、7月15日のフィナーレとなる早朝に行われる追い山笠をご覧のお客さまのために、特別電車やバスを例年運行してまいりました。今回は1970年代に使用されていた特別きっぷもご紹介いたします。博多の街の姿も今とは異なることが裏面から見てとれるのではないでしょうか。
1969年
1970年
1972年
1974年
1975年
1976年
1977年
1978年
1979年
1980年
いかがでしたか?
屋内の吹き抜け空間に設置する 「十七番山笠ソラリア」 は、取り囲む山小屋がないため、天候を気にすることなく様々な角度から山笠をご覧いただけます。
ぜひソラリアプラザ 1 階イベント広場「ゼファ」に足を運んでいただき、博多の夏を代表する祭である博多祇園山笠の迫力をご鑑賞ください。